新しく教員になる人がすべき準備(教員志望者向け)

教員志望者向け

こんにちは。3月ですね。

新年度まで1ヶ月を切りました。今年大学を卒業して、この春から教員という方向けの記事です。

そわそわしますよね。何をやっていいかわからない中で、何かしないと落ち着かないという方も多いのではないでしょうか。

私も今年新しい職場に行きますので気持ちはよくわかります。

公立ではまだどの学校に赴任するかさえも分からない、ましてや担当学年もわからない中、できることはあまり多くありません。

もう開き直って「思いっきり遊んでおきなさい」という方もいらっしゃいますし、

それもありだと思います。

とはいえ、「なにかしておかないと落ち着かないよー」という真面目な方もおられると思いますので、そのような方向けに、こういうことは今できて、無駄にならないことをご紹介いたします。

結論から言いますと、次の5つです。

  • 自己紹介を考える
  • 授業の導入(シラバス)を考える
  • 本を読む
  • Youtubeの動画授業を見る
  • 生活習慣を整える

です。順に説明していきましょう。

自己紹介を考える

自己紹介とかあたりまえじゃね?

そうでもないですよ。自己紹介にも種類があること想定してますか?

はい、ド定番ですが、自己紹介です。

自己紹介とかよくやるし…。とお思いではないですか?

第一印象でその人のイメージの9割が決まるそうです。(本当かは知りません)

それだけ大切な自己紹介、手が抜けるわけもなく。

しかも、新しく赴任してからは自己紹介のオンパレードです。例を挙げますと、

  • 初出勤時の職員朝礼
  • 教科会議
  • 校務分掌会議
  • 担任ならば自分のクラス
  • 中高ならば授業担当クラス

と最低でも3〜4種類の自己紹介が必要でしょう。

しかも上3つは初出勤の日に全部やってきます。

どれも同じじゃダメなの?とお思いかもしれませんが、ダメです。

それぞれの自己紹介について抑えておきたい点を説明します。

職員朝礼

職員朝礼とは出勤時に管理職が中心となってその日の連絡事項などを共有する簡単な会議です。

ここでのポイントは

短く

です。

職員朝礼は時間が短く、忙しいです。新年度1発目の職員朝礼はまだマシかもしれませんが、そんんなに時間をかけられるものではありません。

赴任者があなた1人ということもないでしょうし、3人の新任がいれば1人1分しゃべれば3分使います。職員朝礼は5~10分だと思いますので、メインの連絡をする時間がなくなってしまいます。ここでの自己紹介は長くても30秒程度、「名前、教科、大学、専攻、決意」この程度でとどめておきましょう。

教科会議

中高には教科会議というものがあります。

数学なら数学、英語なら英語の先生が集まって、カリキュラムや教育内容、教科が関連する学校行事(各種検定やコンテストなど)を相談する会議があります。

ここでの自己紹介は「職員朝礼での自己紹介の補足」となります。

教科の会議ですから、「専攻についてより詳しい話」をすると興味を持ってもらえることと思います。

また、「この分野は○○先生に聞けばよい」と思ってもらえるとしめたものです。

中学・高校の授業は幅が広いので、経験のある先生でもそれなりに苦手な分野があるものです。

先輩後輩関係なく、お互いに教えあいができるような素敵な職場だといいですね。

校務分掌会議

学校には校務分掌があります。学校の諸業務の分担ですね。

生徒指導部や進路指導部、教務部などはどの学校でもあるでしょう。学校によって他にもあると思います。

どこに配属になるかは分かりませんが、そこでも自己紹介することになるでしょう。

ここでは色々な教科の先生が集まりますので、自分の専門の話ではなく、

自分の得意なこと(その分掌に活かせる能力であるとより良い)を自己紹介に入れると良いでしょう。

例えば「パソコンが得意です!」とか「昔やんちゃしてたのでそういう子の扱いは任せてください!」とかいかがでしょうか。

担任として

以上が「大人向け」の自己紹介でしたが、当然生徒向けにも自己紹介が必要です。

生徒は「この先生はどんな先生なんだろう」と興味津々です。

“担任ガチャ”なんて言われるくらいですからね。生徒にとってはどんな先生が担任になるかでこの1年が決まるといっても過言ではないくらい大切なことです。

ではここではどのような自己紹介が必要か。

それは「自分をどんな先生だと思って欲しいか」です。

もちろん、嘘はいけませんが、キャラは作ることができます。

「面白い先生」と思って欲しいか、「優しくてなんでも相談できる先生」と思って欲しいか、はたまた「正義感をもった頼もしい先生」と思って欲しいか、これは人それぞれの価値観です。

それをアピールする場として自己紹介をされると良いのではないでしょうか。

私の小学校のときの恩師は「いじめは絶対に許さん。いじめたやつは問答無用で殴り飛ばすし、それで俺が教師辞めさせられても構わん」と言い切りました。かっこよすぎて震えました。

今だと体罰教師と言われるのでしょうか。いじめられっ子だった私は大変勇気をもらったので、そう認識されると悲しいですが。

あとは、親しみを持ってもらうために、自分が生徒と同じ歳の頃にはどんなことをしていたか、部活やエピソードをお話しすると良いと思います。

授業担当として

中高では自分のクラス以外にも授業を教えにいくわけですから、そこでも自己紹介は必要になります。

授業担当者として伝えたいポイントは「その教科にかける思い」です。

自分がその教科の教員を目指したエピソードをお話ししても良いですね。

大学での専攻の話を噛み砕いて話をしてもいいと思います。

他には自分の授業を通してどんな力を付けてほしいか、も最初に話しておきましょう。

もちろん、担任としての自己紹介と被る部分があってもいいと思いますよ。担任としての自己紹介は聞いていませんからね。むしろ、自分のクラスでの教科担当としての自己紹介が少し困ります(笑)

以上、自己紹介の種類でした。結構考えることあるでしょう?

今のうちから何を話そうか、ネタ集めをしておきましょうね。

大学のゼミの写真なんかがあればまとめておきましょう。

使えるか使えないかは分かりませんが、PowerPointなどで自己紹介スライドを作っておくと、自分の考えを整理できますし、来年以降も使えます。もし今ヒマでしたら作成しておきましょう。

授業の導入を考える

教科担当としての自己紹介と被るところはありますが、自分の持つ科目が分かっているなら、授業の導入も考えておくと4月がスムーズです。

(高校理科や高校社会は科目が多すぎて自分が何を担当するのか、本当にギリギリにならないとわからないことも多いです。学校や自治体によっては科目での採用もありますが。)

おそらく最初の授業はオリエンテーションになると思います。

授業の受け方、ノートの取り方、提出物の種類、評価方法、勉強の仕方、最初はいろいろ説明する必要がありますね。特に中1はしっかりフォローしてあげてくださいね。

授業のやり方も教員によって様々です。授業でのルール作りは最初にしておきましょう。

もちろん、状況を見て途中から変えていくのもありですが、できれば一貫してやっていきたいものです。自分の授業スタイルを考えながら、導入を考えてみてください。

あと、オススメしたいのが、自己紹介とも被りますが、「この授業でどういうことを学ぶのか」「この授業を通してどんな力を付けてほしいか」ということを最初に説明しましょう。

固い言葉で言えば年間計画・シラバスですね。

アニメやドラマの『次回予告』みたいにワクワクさせるような導入ができれば満点です。

「この授業でこんなことを学ぶよ!こんなことができるようになるよ!一緒に1年間がんばっていこうね!」という風な導入をしてほしいと思います。

本を読む

よく言われることなので、飽き飽きしているかもしれませんが、今のうちから読書週間をつけておきましょう。

学力の基礎は読解力です。これは大学入試の傾向を見ていて、設問が長文化していることからも、大切な基礎学力です。

生徒に読解力を身に付けさせるためには、大量の文章を読ませることしかありません。それも少々読みにくい文章を。

生徒に本を読ませるためには、教員が本を読んでいる姿勢を見せることです。

私は前の時間に授業が入っていなければ、前の時間の授業が終わり次第次の教室に向かい、授業の準備をして、教室で本を読みます。

本を読んでいる姿を見せる以外にも、教室の雰囲気や人間関係の確認などの目的もありますし、教室で本を読んでいると、生徒が「何を読んでいるのか」と興味を持ってくれます。

さて、ここで1冊、教員を目指す方(ないし現職教員の方)にオススメしたい書籍を紹介します。

森信三先生の「人生論としての読書論」です。

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リンク貼らせていただきましたが、中古しか出てこないですね。もし品切れでしたらお手数ですが、他でお探しください…。

この本はなかなか強烈でした!ぜひお手に取って読んでいただきたいのですが、

『読書をしようとしない人は人生を真面目に生きようとしないのと同じである』とまで言われています。

また

『自分のクラスの「学級文庫」は、すべて自分の読んだもので構成し得るようでなければならぬ』(P.271)

とも書かれています。ちょっとハードルが高いですよね。でも、学級文庫の話で生徒と盛り上がれるととてもいいですよね。オススメの本を学級文庫に入れておいて、紹介して読んでもらえると嬉しいです。

こちらの森先生、教育者であり、哲学者でもいらっしゃる方です。

明治生まれの方なので、少々文章が難しいですが、教育者として、どう読書に向き合うかを書かれています。『本の選び方』には、なかなかなるほど、と思わせるテクニックが紹介されていましたので、ぜひお読みいただければと思います。

ヘタな教育書を読むよりも断然価値があると感じます。

Youtubeの授業動画を見る

昔と今で大きく異なるのは、Youtubeの存在です。これを使わない手はありません。

最近では学習系コンテンツも豊富にあり、正直教員の存在が危ぶまれるのではないか、と思うほどです。

教員の授業がなくなるかどうかは、今回議論しないとして、教員というのは多少の工夫はあったところで、基本的には「自分が受けた授業を再現すること」が自分の授業のベースとなります。

そんな環境で、自分の授業スキルをアップさせようとすれば、「数多くの授業を見ること」に他なりません。

なかなか実際の先生の授業を見せてもらうのは、現段階では難しいですが、Youtubeならば見放題です。

(ぜひ教員になったら他の先生の授業見学させてもらいましょう。嫌がる先生もいますが、そういう先生は学びが少ないので、見なくても大丈夫です。人に見せられない授業しているわけですから。)

さて、Youtubeの授業ですが、有名なものはかなり質が高いです。質が高いからこそ有名になったというべきか。

私がよく見るYoutubeチャンネルを紹介しておきますね。上から真面目な順です(笑)

TRYIT(トライグループのオンライン授業です。ちゃんとしたところが作っているのに無料!)

映像授業 Try IT(トライイット)
映像授業Try IT中学生版・高校生版は、わかりやすいを徹底追求した、実力派講師陣の授業が永久0円で見放題! 学校の予習・復習にも、定期テスト対策にもご利用いただけます。 ■授業科目 ・中学1年~3年生の英語・数学・理科・社会 ・高校1年~3年の英文法・英語構文・数学Ⅰ・Ⅱ・A・B・Ⅲ・物理基礎・物理・化学基礎・化学...

予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」(元東大院生の元予備校講師だそうです。名前は「大学の」ですが、高校生向けの授業もありますし、化学もあります)https://www.youtube.com/channel/UCqmWJJolqAgjIdLqK3zD1QQ

web玉塾(アニメーション動画です。関西弁がキツイですが、慣れると癖になります。ハードルはかなり低いです)

https://www.youtube.com/results?search_query=web%E7%8E%89%E5%A1%BE

TRYITやweb玉塾はいろんな教科があります。

真面目な授業動画も、面白系の授業動画もいろいろ見ておきましょう。

面白系の動画も覚え方や話の掴みなど勉強になります。

あくまで皆さんは学習者としてではなく、授業者としての立場で見てくださいね。

「ここはこう教えるといいのか」など教え方に着目して見るとより深い学びになると思います。

他にもいろいろありますので、ぜひ探してお気に入りのチャンネルを探してみてください。

生徒にも紹介しても良いと思います。授業で分からなかったことをYoutubeで復習したり、

Youtubeを予習で出したり、良いように工夫してみてください。(オススメは予習です。理由はまたの機会に)

このご時世、勉強は「教科書とペン」だなんて古いです。使えるものは何でも使え!

勉強ができるようになればどんな方法でも構わん、と言い切れるような先生になってほしいですね。

生活習慣を整える

あなたは今、大学生でしょうか?大学院生でしょうか?それとも転職組でしょうか?

それによっても変わってきますが、この3月、大学生のほとんどはすでに卒業し、マイペースな生活を送っているのではないでしょうか。

私は大学院での研究生活で完全に夜型になり、10時に起きて2時に寝る生活を続けておりましたが、勤務し始めてから、生活時間が強制的に4時間ほど繰り上がりました。(6時に起きて23時に寝る生活)

それに加え、4月に部活の大会があり、休日練習が連日あり、休みが0。本当に体を壊しそうな1ヶ月でした。

そんな職場環境かどうかはさておき、まず間違いなく、朝は早くなるので、早起きの習慣をつけておきましょう。

体力も大事ですので、ジョギングとかしても良いですね。

以上5つの新年度準備を紹介しました。

無理はしなくてもよいと思います。もしソワソワして落ち着かない方はこういう準備ができるよーというだけで、「これはやっておかないといけない」というような強いものではありません。

よき出発ができますように!

お互いがんばりましょう!

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