先生方、授業は順調でしょうか。
やっと軌道に乗ってきた先生、ちょっとマンネリ化してきて授業に刺激が欲しい先生。
はたまた、授業は全然追いつかないけど、なんとか生徒を惹きつけたいと思っている先生方!
ちょっとゲーミフィケーションについて学んでみませんか?
実際にすぐ使えるアプリ(ブラウザサービス)もご紹介します。
ゲーミフィケーションとは
では、さっそくゲーミフィケーションについて学んでいきたいと思います。
ゲーミフィケーションとは
「ゲーミフィケーション」は、ツマラナイをワクワクに変えます。楽しくてハマってしまうゲーム要素を活用して、能動的に人を行動させる仕組みです。
楽しいことだと自然に人は動きますが、楽しくないことだと中々人は動いてくれません。しかし、ビジネスやプライベートでは、楽しくなくても取り組まなくてはならない状況が起こりえます。ゲーミフィケーションは、それを改善するモチベーションマネジメント手法です。そして、つまらないことを改善するだけでなく、楽しいことはより楽しくなる仕掛けを作り出します。
一般社団法人日本ゲーミフィケーション協会https://www.jgamifa.jp より
簡単にいえば、ゲーム化して楽しく行動を動機付け(モチベーション化)しようぜ!ってことです。
色々なところにこのゲーミフィケーションは活かされており、意外とみなさんの身近にあるものです。例えば、くら寿司のビッくらポン、タイピング練習ソフト、公衆トイレの男性用小便器の的当てゲーム(笑)など、目的もやり方も様々です。
実は小学校の先生は以前からされていることかと思います。
縄跳びや九九のチャレンジカード(これができたら次の技へというカード)、提出物の(金ピカ)シールなど、自分が小学生の頃を思い出すだけでも色々出てきます。
中高生なんだから、もうそういうのは卒業したでしょう?と思われるかもしれませんが、高校生だって意外と子供なんです。そういう私も、先日、生徒と一緒にやった漢字テストで担当の先生から金ピカシールをもらったら嬉しかったです(笑)
さて、ゲーミフィケーションの条件をみていきましょう。
ゲーミフィケーションの条件
- 再挑戦性
- ランキング
- 報酬・達成感
こんなところでしょうか。個人的に一番大事だと思っているのは、『再挑戦性』です。
1項目ずつ見ていきましょう。
再挑戦性
ゲーミフィケーションにとって大事なのは実は『悔しい』という気持ちです。
達成した喜びももちろん大事なのですが、その達成した喜びというのは『悔しい』という気持ちを乗り越えてこそです。
誰でも簡単にクリアできるものはつまらなさすぎてゲームとは言いませんよね。
今回は失敗しちゃった、もうちょっとでクリアできそう!もう一回挑戦だ!という形になってこそ、ゲーミフィケーションを教育で用いる価値があります。
その際、すぐに再挑戦ができるとやる気になりますよね。
勉強しなさい、なんていう必要はなくなるわけです。
報酬・達成感
学校ですから、お金や商品を報酬にするのは難しいでしょう。(特別な時に文具の景品などはありかもしれませんが)
小学校の先生風にシールや○○する権利(席替えの場所指名権や黙食の動画リクエスト権などどうでしょう)などでもいいかもしれません。
ただ、達成感自体が報酬になることもありますので、景品が必要というわけでもありません。
「今回の達成者は○○さんと○○さんです!おめでとう!(拍手)」みたいなのでも十分かもしれません。
達成感で言えば、ゲームの醍醐味の一つはコンプリートを目指すこと。
スモールステップで目標を決めていき、それをクリアする度にスタンプ、全クリアを目指そう!みたいなものも達成感を得るための工夫です。
ランキング
ゲームといえばランキング、というのもあります。もちろん、ランキングで燃える子も一定数いますし、上を目指して頑張ろうというのは良いことです。
しかし、ランキングはちょっと危険な面もありまして
- どうしても上位に入れない子が置き去りになる
- 1位を目指そうとして、必要以上にのめり込む
- 1位を取ろうとして取れない場合、ストレスにしかならない
特に真ん中と下です。
あくまで学習の一環としてのゲーミフィケーションですから、学習効率が悪くなるようなことは本意ではありません。
例えば、回答の速さを競う、早押しクイズみたいなものを行ったとしましょう。
そこで十分覚えているのにも関わらず、1位を目指すためだけに、何度も繰り返し挑戦する。そこを完璧にしてもテストでは10点程度しかないから、他の分野もやってほしい……。
ということも起こり得ます。
また、通常のゲームでもそうですが、クリアできないゲームはイライラを募らせるだけです。
対人のランキング形式にしてしまうと、いつも1位を取る子から1位が取れなくて、イライラしてしまう子もいるでしょう。
できれば、自分自身の記録と戦うスタイルの方がいいでしょう。
さて、ポイントと注意点を述べたところで、実際に使えるアプリを紹介していきましょう。
すぐに使えるゲーミフィケーションアプリ
今までは先生方のオリジナルで手作りなカードやシールをお使いだったかと思いますが、このICTとゲーミフィケーションの相性は焼肉と白ごはんくらい抜群です。
今回ご紹介しますアプリは2つ。アプリ、とありますが、ブラウザでも十分使えるサービスですので、アプリの導入が難しいというところはブラウザからアクセスしてください。
もちろん、これ以外にも既存の学習アプリは山ほどあります。
ここでは、教員や生徒が自由に作成できるツールをご紹介します。
Quizlet
こちら、ペアとなる用語と意味をセットで作ると様々な問題を自動で作ってくれるという優秀なサービス。画像が挿入出来たら便利なんですが、有料アカウントにアップグレードするとできるようになります。
準備するのはこれだけ。ブラウザ版とアプリ版でできることが少々違います。
デジタルな単語カード(表に問題・裏に答えみたいなカード)ができたり、
一問一答のテストを作ったり(出題形式も選択肢でも記述でも○×問題でも選べます)
一番人気なのは、マッチです。
全部表を向けた神経衰弱みたいなゲームで対応するカードを合わせて消していきます。
全部消した時間がランキングとして記録されていきます。
ちなみにお手つきは+1秒です(笑)
授業では Quizlet Liveがおすすめです。
ブラウザ版からのLiveを押すと、3人以上の人数が集まって、早押しクイズダービーのようなゲームができます。
何問か問題が出題され、順に答えていき、全問正解したらクリアです。1位が決まった時点でゲーム終了です。
ちなみにこちらのお手つきは正解数リセットで0に戻るので、焦るよりも正確さが大切になるゲームです。
個人戦とチーム戦ができます。チーム戦では、ランダムに3~4人のグループが作成されます。
正解はそのグループの内の1人にしか出ないので、自分の手元に答えがないと思ったらおとなしくスルーすることが大切です。
Kahoot!
こちらは、早押し四択クイズです。〇×問題にもできます。
ほかにも並べ替えや選択肢を六択まで増やすこともできますが、有料アップグレードが必要です。
四択と〇×で十分かと思います。画像の★マークは有料です。
有料版もいろいろ便利に活用できそうですが、ここでは無料で使える部分だけ説明をします。
アカウント登録ができましたら、クイズを作成していきましょう。
こんな感じで問題と選択肢を入力します。問題文に図を入れることもできます。正解にはチェックをいれましょう。
制限時間も設定できます。デフォルトは20秒ですが、10秒くらいがちょうどよいと思います。〇×問題なら5秒でいいと思います。
こうしてクイズをいくつか作ったら、開始しましょう。
スタートボタンを押すとしばらく待った後、PINコードとQRコードが表示されます。なんとも言えない脱力系BGMが流れ始めます(笑)
生徒はアプリの一番下の「EnterPIN」もしくはブラウザで検索して一番上にくるサイトから、PINコードを入力するか、QRコードを読み取ります。
QRコードの場合はQRコードリーダーから直接とぶこともできます。
メンバーがそろえば、スタートです。
設定次第で、問題と解答が前に出て、生徒の手元には記号しか出ないパターン(以前はこれだけでした)と、生徒の手元のにも問題と選択肢が表示されるパターンが選べます。
字が意外と小さいので、特別な意図がない限りは手元表示でよいでしょう。
早押しクイズなので、正解者の中でも早く解答したほうがポイントが高くなります。
ちなみにこの画像は一人プレイの練習用です。実際に授業でやる前に確認できるのはありがたいですよね。
とりあえず押してから「あ!間違えた!!」という声がよく聞こえてきます。
全問が終わると、表彰です。正解数とポイントが表示されます。
このあと、間違いの多かった問題のデータが表示できたり、成績がダウンロードできたりします。(あとから履歴からダウンロードすることも可能です)
まとめ
以上、ゲーミフィケーションの意義と使えるサービスを2つ紹介しました。
ゲーミフィケーションは、学習に必要な「反復練習」を楽しくできるというメリットがあります。
ぜひ、適切に用いて、楽しく身につく授業にご活用ください。
何かご質問があれば、Twitterやお問い合わせフォームからどうぞ。
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